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医療費を立替えたとき(保険証不提示による全額支払時、コルセット等装具費、小児弱視眼鏡費等)

療養費

健康保険では、病気やけがのときには保険医療機関に保険証を提示して、医療を受けるのが原則です。しかし、事情によっては保険診療が受けられないこともあります。たとえば旅先で急病になり、保険証を持っていなかったときなどです。このような場合は、かかった費用を一時立替えておき、後で健康保険組合に申請すれば払い戻しが受けられます。この払い戻される分を療養費といいます。療養費が支給されるケースは、具体的に次のようなものがあります。

  • 旅先の急病で保険証を持参せずに診療を受けた場合
  • 近くに保険医療機関がないか、あっても利用できない事情があった場合
  • 健康保険の資格取得手続き中の病気やけがの場合
  • やむを得ずに保険医療機関以外で診療を受けた場合
    (担ぎ込まれたところが保険医療機関でなかった場合など)
  • コルセットなどの治療用装具を医師の指示により作成、装着した場合
  • 9歳未満の小児が弱視、斜視および先天白内障術後の屈折矯正の治療用として眼鏡やコンタクトレンズを作成、購入した場合
  • 医師の同意のもと、マッサージ・あんま・はり・きゅうの施術をした場合

療養費の支給額

療養費として支払われるのは、医療費の全額ではありません。健康保険で給付が認められている治療方法とその料金に基づいて基準額を算出し、そこから一部負担金に相当する額(義務教育就学後〜70歳未満3割、義務教育就学前2割、70歳以上75歳未満2割、ただし現役並み所得者3割)を差し引いた金額が払い戻されることになります。
また、実際に立替えた額が算出した基準額を下回る場合には、その低いほうの額から一部負担金相当額を差し引いた金額が支払われます。

例)立替えた額が健保の算出額よりも少ない場合(義務教育就学後〜70歳未満)

例)立替えた額が健保の算出額よりも多い場合(義務教育就学後〜70歳未満)

※義務教育就学前とは、6歳に達する日以降の最初の3月31日まで。

柔道整復師にかかるとき

柔道整復師にかかるときは、保険医療機関で受診するときと同様に窓口で保険証を提示し、一部負担金を支払って施術を受ける場合と、全額をいったん支払って、後から健康保険組合に申請して認められれば保険給付を受けられる場合の2通りがあります。ただし、健康保険が使えるものは限られています。かかった後で健康保険の適用が認められなければ、全額負担となりますので、注意してください。


健康保険が使える場合 医師の施術同意書は不要 ねん挫、打撲、挫傷、骨折・脱臼の応急手当て
医師の施術同意書が必要 骨折、脱臼
健康保険が使えない場合 (上記以外のもの)
年齢や日常生活からくる肩のこりや筋肉疲労、スポーツによる筋肉疲労、保険医療機関で治療中のものなど

 

接骨院・整骨院で受診された場合、照会させていただく場合があります。
施術内容照会の回答にご協力をお願いします!

このような封筒が届きます旭化成健康保険組合では、柔道整復師からの請求内容が適正であるかを確認するために、点検機関「ガリバー・インターナショナル(株)保険管理センター:大阪市北区」に業務委託しています。

点検機関よりみなさまに、確認のための照会文書「柔道整復師(整骨院・接骨院)での受診に伴う確認について」を受診してから数ヶ月後に送付させていただくことがあります。

封書が送られてきましたら、同封の回答書に記入いただき、期限までに返信封筒でご返送ください。

※健康保険法第59条(文章の提出等)
保険者は保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受ける者被扶養者(ご家族)を含む)に対し文章その他の物件の提出若しくは提示を命じ、または当該職員に質問若しくは診断をさせることができる。 

※当健保組合とガリバー・インターナショナル(株)とは、個人情報保護法に基づき、業務委託契約を締結しています。なお、ご回答いただいた内容について柔道整復師に確認する際の資料としてのみ使用いたします。

治療用装具について

治療用装具には種類・年齢に応じた「耐用年数」「使用年数」が定められています。特別な事情が無い限り、耐用年数・使用年数以内の再請求はできません。破損・故障の場合は、医師の指示に基づき修理・調整を行ってください。
【注意】基準日は装具装着日です。(装着日の記載がない場合は領収証の日付)

治療用装具の耐用年数

装具本体
下肢装具
名称 型式 耐用年数
股装具 金属枠 3年
硬性 3年
軟性 2年
長下肢装具 - 3年
膝装具 両側支柱 3年
硬性 3年
スウェーデン式 2年
軟性 2年
短下肢装具 両側支柱 3年
片側支柱 3年
S型支柱 3年
銅線支柱 3年
板ばね 3年
硬性(支柱あり) 3年
硬性(支柱なし) 1.5年
軟性 2年
ツイスター 軟性 2年
銅索 3年
足底装具 - 1.5年
靴型装具

1.5年

体幹装具
名称 型式 耐用年数
頸椎装具 金属枠 3年
硬性 2年
カラー 2年
胸椎装具 金属枠 3年
硬性 2年
軟性 1.5年
腰椎装具 金属枠 3年
硬性 2年
軟性 1.5年
仙腸装具 金属枠 3年
硬性 2年
軟性 1.5年
骨盤帯 2年
側弯症装具 ミルウォーキー型 2年
金属枠 2年
硬性 1年
軟性 1年
上肢装具
名称 型式 耐用年数
肩装具 - 3年
肘装具 両側支柱 3年
硬性 3年
軟性 2年
手関節背屈保持装具 - 3年
長対立装具 - 3年
短対立装具 - 3年
把持装具 - 3年
MP屈曲補助装具 - 3年
MP伸展補助装具 - 3年
指装具 - 3年
B.F.O - 3年
完成用部品
材料・部品名 耐用年数
継手類 1.5年
手部 1.5年
足部 1年
その他小部品(消耗品) 1年
使用年数
年齢 使用年数
0歳 4カ月
1〜2歳 6カ月
3〜5歳 10カ月
6〜14歳 1年
15〜17歳 1年6カ月
※次については、下記使用年数にかかわらず1年になります。
1.装具本体のうち「側弯症装具」の「硬性」および「軟性」
2.完成用部品のうち「足部」
3.完成用部品を構成する「小部品(消耗品)」

小児弱視等の治療用眼鏡等について

小児の弱視、斜視及び先天白内障術後の屈折矯正の治療用として用いる眼鏡及びコンタクトレンズを作成または購入した場合、健康保険組合から払い戻しを受けられます。

※注意事項
・斜視の矯正等に用いるアイパッチ及びフレネル膜プリズムについては保険の適用対象外です。
・眼鏡等を作成する製作所については、薬事法に規定する厚生労働大臣の認可を受けている必要があります。

対象者

9歳未満の小児(眼科医の診察を受けたときに9歳未満であること)

給付額

障害者総合支援法の規定に基づく装具の価格に1.06(令和元年10月より)を乗じた額を上限として(下表参照)、実際に支払った金額の7割(小学校就学前までは8割)が給付されます。

上限額 眼鏡 38,902円 (装具の価格 36,700円 × 1.06)
コンタクトレンズ(1枚) 16,324円 (装具の価格 15,400円 × 1.06)

< 給付額の例:7割負担の場合 >

  1. 30,000円の眼鏡を購入した場合
    30,000円×0.7=21,000円
  2. 60,000円の眼鏡を購入した場合
    38,902円(上限額)×0.7=27,231円

更新について

  • 5歳未満の更新:更新前に装着期間が1年以上ある場合のみ支給対象となります。
  • 5歳以上の更新:更新前に装着期間が2年以上ある場合のみ支給対象となります。
   【注意】装着期間は、治療用眼鏡を購入した際の領収書に記載されている日付を基準とします。

くわしく教えて! Q&A

登山中にけがをして、応急措置として保険医療機関ではないところで受診しました。全額自己負担しましたが、費用は払い戻されますか?

諸般の事情から療養の給付を受けることが困難であった場合、たとえば、保険医療機関まで相当の距離があって、交通の便を欠き、けがの様子によって緊急性が認められるようなときは、療養費として立替えた費用の一部が払い戻されます。

療養のために海外に行って診療を受けた場合も、療養費は支給されますか?

海外療養費は、海外滞在中にやむを得ず現地で受診した場合に支給されます。出張や旅行などの渡航理由は問われませんが、はじめから療養の目的で海外へ渡った場合は、支給対象から除かれます。

また、海外療養費の不正受給を未然に防止する観点から、申請時に治療の事実を確認するため、パスポートや航空券など海外に渡航した事実が確認できる書類の写し、当該海外療養を担当した者に照会することに関する同意書の提出をお願いすることになりました。

仕事疲れで肩こりがひどいので、マッサージ師の施術を受けました。療養費は支給されますか?

保険医療機関以外で行うマッサージ(あんま・指圧)師による施術については、保険医療機関で受診しているにもかかわらず改善しない病気やけがの治療を目的に、医師の同意を得て受けた場合で、保険者もその必要性を認めたものに限り、療養費が支給されます。ご質問のケースはこの要件に該当しないため、支給されません。

保険証の交付を受ける前に病気になり、自費で診療を受けた場合、費用は払い戻されますか?

被保険者の資格取得日以降の診療であれば、払い戻されます。いったん自費で立替えます。あとで健康保険組合に申請して、健康保険の適用される部分が払い戻されます。

1年前の治療におけるコルセット装着が療養費の支給を受けられることを最近知りました。まだ請求権はありますか?

療養費の請求権は、実際に費用を支払った日の翌日から2年で時効(消滅)となります。コルセット装着に関する費用を支払った日の翌日から2年以内であれば、請求して支給を受けられます。